世界の手話文字表記システムの紹介


 1960年代にアメリカの故ストーキー博士が、手話を表記するシステムを考案し、手話辞典(A Dictionary of American Sign Language on Linguistic Principles(言語学の原則に基づいたアメリカ手話の辞書))を作成したのが、手話文字表記システムのはじまりとされています。ここでは、ストーキー法と呼ぶことにします。

 ストーキー法をもとに各国で自国の手話表記システムが考案され、スウェーデン方式、イギリス方式、ハンブルク(ドイツ)方式などが開発されています。日本国内でも、小田らによる造語辞、中京大学神田らによる日本手話表記法などが考案されています。神田らはその後、工学院大学の長嶋、千葉大学市川らとSigndex(サインデックス)というコンピュータ処理にも適した表記システムを考案しています。

 最近では、ASL Writingという新しい表記法が考案され、Arnold Robertらによるsi5sチームによってプロモーションされています。

 

SignWritingに関する考察


SignWriting
SignWriting

SignWritingはダンス表記法に基づいて考案された手話表記法である。手話素を同時に図形的に表示するのが特徴で、手話を見ているような感じがある。左の画像は、http://frostvillage.com/blog/lang/ase/から一部コピーしたものである。実際にこれを使った絵本なども出しているところもあるようだ。特にブラジルでは、SignWritingに対して積極的に取り組んでいるようだ。

文字の形態はそれぞれ特徴があり、どれが優れているか否かということを論じるつもりはない。SignWritingを採用してどのような成果が見られたかについては調査の価値はあると思う。ただ、線条性を保った文字表記はできないものかと考えている。(2010.06.06)


文字に関する研究